はじめてのマラソンと、小豆島の居心地のよさ

5月25日の日曜日に、人生初のハーフマラソンを走ってきました。初めての舞台に選んだのは瀬戸内海に浮かぶ小豆島の「オリーブマラソン」。足を踏み入れた瞬間に、ゆったりとした時間が流れる心地のよい島です。わたしにとっては「別世界」なんだけど、島へは神戸からフェリーで2000円足らずで行けちゃう。気軽に、簡単に行けるバカンスみたいな、そんな島。


島へ向かったのは前日の土曜日。早起きして自転車をかついで神戸へ向かう。わたしたちは8時のフェリーに乗ろうと思っていたのだけれど、なんとこの日は欠航!次の便までは3時間ありました。


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じっと待ってるなんて、そんな退屈なことはしたくないよねー、なんて言ってサイクリングがてら姫路へ。小豆島へ向かうフェリーは、姫路からも出ているのだ。その距離は75km。「まあいけるでしょ」と言いながら楽しく走る。

姫路港に着くと、心地よい徒労とともにフェリーに乗る。なにか話すわけでもなくサッと眠る。そりゃあ4時に起きて3時間自転車漕ぐと眠いよね。まもなくしてフェリーは福田港につく。小豆島の北東に位置する港だ。そこからマラソン大会の拠点となる坂手港までの約20kmを自転車で走る。アップダウンこそ激しいが、車は少ないし景色は最高なんだ。


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坂手港に到着する。いっしょに行っていた友人には、会いたい人がいると言う。坂手港の観光案内所に勤める、陽気なおじいちゃんたちだ。以前訪れたときに、仲良くなったんだとか。少しお話する。宿は島の南西位置する「土庄」に取っていると告げると、おじいちゃんはそこまで車で送ってくれると言う。その途中にヤノベケンジビートたけしのアートや、エンジェルロードに連れて行ってもらった。


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宿にチェックインすると、即座に温泉へ。友人とわたしは温泉が大好きで、自転車の旅となるともれなく温泉に来ている。日はすっかり暮れ、だんだんおなかがすいてきた。向かったのは「なぎさ」という居酒屋。母校の教授がおすすめしていたお店だ。電話すると、ちょうど二人分空いていたので席を取っておいてもらう。

お店は地元のお客さんでいっぱいだった。健康的で笑顔の素敵なお姉さんが迎えてくれる。1000円で食べられる刺身の盛り合わせがおすすめなんだとか。突き出しにはサワラの塩焼きが出てくる。なんだこれおいしい!突き出しってレベルじゃねえー。わたしたちは、おいしそうなものをどんどん頼んで行く。どれも安い。観光客じゃなくて、地元の人が来てるっていうのが、愛されている証拠だと思う。


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おいしいおいしいと言いながら食べていると、お客さんのおじいちゃんたちに話しかけられる。観光に来る人がいるのが嬉しいみたいで、いっしょに飲むことになった。陽気で楽しいおじいちゃんたちだった。次の日マラソンだというのに、楽しくてついつい何杯か飲んでしまった。観光客もいた。そのひとたちも、明日マラソンなんだって。わたしは、島に来ていつになく開放的になっているようだった。


宿に戻り、アッという間に寝てしまって次の日。あれよあれよという間にスタートの時間が迫ってくる。初めてのマラソンの様子に、どきどきとする。どのへんからスタートすればいいかわからないから後ろのほうにいた。花火のような音がなる。いよいよ始まる!


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町の人たちの応援の花道を抜け、ずんずん走る。初めての給水所、水はうまく飲めなかったけど。醤油の「マルキン」の横を走ると、醤油のいい匂いがした。その町にしかない香りを味わえるのも、田舎のマラソンのいいところかも。


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そこそこのアップダウンが続く。最初の折り返し地点を越え、ずんずん山のほうへ進むと海が見えてくる。なんとまあ、綺麗なのだろう。思わず写真を撮らずにはいられなかった。そんなふうに町の景色を楽しみながら走る。体は元気なのに、だんだんと足が動かなくなってくる。最後の3キロなんて歩いているように見えたかもね。心が折れそうになりながらも、最後まで歩かずにゴールした。


ゴールして完走証を貰うと、3252人中2111位っていうちょっとようわからん順位。あ、でも「二十代女性」の中ではちょうど真ん中くらいだった。初めてにしては、いいでしょう。坂手港の観光センターに向かうと、おじいちゃんたちが優しく迎えてくれた。戻ってこれる場所があると、なんだかとてもほっとする。そうこう言ってる間におじいちゃんに椅子に座らされる。何かと思えば「似顔絵屋台」という活動をアートとしてやっている山内庸資さんに、似顔絵を描いてもらえるとのことだった。おじいちゃんと山内さんはとっても仲良しだった。


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会場では、小豆島のそうめんが振る舞われた。走っておなかがすいたので無心で食べる。うーんおいしい。弁当もついてたんだけど、それも全部食べちゃった。大会会場で行われていたイベントも終盤に差し掛かり、わたしたちはまたしても温泉に向かう。走ったあとの温泉はとにかく最高だった。温泉からあがって、オリーブソフトを食べる。ふたたび坂手港に戻って帰りのフェリーを待つ。さいごに、と言って記念写真を撮る。おじいちゃんたちは総出で送り出してくれた。


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フェリーが出港しても、ずっと手を振り続けてくれる。なんとまあ暖かい島なのだろう。わたしまた、この島に帰って来ちゃう気がするなあ。


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フェリーでは、昨日「なぎさ」で出会った観光客の3人組にバッタリ。疲れてるのも忘れて、一緒にお酒を飲みました。たった2日でいろんな人に出会える休日だった。連休でもなんでもない、ただの土日なのにね。手荷物は行きよりもずっしり重い。参加賞の袋の中には、島のおいしいものがたくさん入っていた。ありがとう、おいしくいただきます。



あっという間で、ありえないくらいキラキラした2日間だった。マラソンしに来たのに、それ以外の思い出のほうが多いかもね。地元の人と話してたら、小豆島が大好きになった。次に小豆島に行くときは「帰ってきたよ!」って言えるのが楽しみ。今度はクルージングの旅をするんだ。