料理ベタがだしを取るようになるまで

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少し前の日曜日。お昼ご飯の食材を求めて商店街をぶらぶらとしていると、鰹節店なんてものが目に入る。売っているものは鰹節のほかに、昆布や煮干しなど「だし」に使われるもの。そういえば、だしを取るのに使ってた昆布がもうすぐなくなりそうだなあとぷらぷら店に近寄る。たくさんの昆布が並ぶ前に、どれがいいかわからず惚けていると、店のばあちゃんが出てきて「昆布をさがしてるの?」「味噌汁のおだしやね?ならこれがええよ」なんてどんどん進めてくれる。わたしは言われるがままに買うものを決める。お金を払おうとすると「だし取るなら、動物性のものといっしょに取るんがおいしいんやで」なんてポロっと口に出す。「あ、そうなんですね」と、わたしは昆布の他にばあちゃんの勧める煮干しを買った。先週は忙しくて手をつけられなかったんだけど、昨日ようやく仕込んだ。

ほとんど料理をしてこなかったわたしが初めて「だし」というものを取ったのは、つい2ヶ月前のことである。
きっかけは、食べ物にこだわって料理をしている人と話したこと。わたしがあまり料理をしないことや、もちろんだしなんて取ったことがないと話すとかなり呆れられた。わたしはわたしのほうでカルチャーショックだった。実家でだしを取ってるところを見たことがなかったし、そもそもだしをちゃんと取るのはレストランや料亭だけだと思っていたのです。
料理ができないことを残念に思われて、以前のわたしだったら「あぁ、なんて自分はダメなんだ…。」なんて落ち込んでたかもしれない。だが最近はいささかポジティブである。むしろ自分のできない分野が発見できてラッキー!どんどん挑戦してみよう!くらいの勢いで料理をしてみることにした。何を作るってわけでもなく形式張ってだしを取ることから初めてみた。その次は味噌汁、その次は煮物、というように。最初は単品を淡々と作るだけだったが、最近はレシピを見ずに作れるものができたり、献立のようなものを考えるようになってきた。

きっかけは「悔しさ」だったかもしれないけれど、今ではすっかり楽しんでいる。まさか、昨日仕込んだ昆布と煮干しのだしで作る味噌汁がどんな味になるかを楽しみに家に帰るようになるなんて、ね!