読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

京都でデザイナーを始めて2年になるが、ますます京都のことが好きになっている

f:id:yulily100:20160329082939j:plain

新卒のwebデザイナーとして京都の会社に入社してから2年がたちました。
最初のころは、webデザイナーなら、優秀な人の集まる東京に行かなくて大丈夫かな?なんて思っていたけれど、住めば住むほど京都のことが好きになっています。
家賃が安いとか満員電車がない、というのはもちろんなのですが、最近になって思った「いいところ」をメインに書いておこうと思います。写真はこないだ出勤前に鴨川沿いを走っていたら見かけた鹿です。



まずは、ほどよい狭さなので多様な人に出会いやすいところ。
ここ半年で言うと、なんとなく行った勉強会で着物スタイリストや職人見習いをしている人に出会ったり、誘われたから行ったくらいの日本酒のイベントで農家の人に出会ったり、デザインイベントのパーティに行ったら町家を改修して宿泊施設にしている人に出会いました。
そういう人たちと話していると、自分がいかにITに凝り固まった考え方をしているかに気がつきます。
この間、京都のいわゆる「田舎」と呼ばれる町に関わるイベントを開催したのですが、わたしはSNSでシェアされるには?みたいなことばかり考えていました。しかし町の人からは、「パソコンもスマホも持ってないしfacebookもやってない人が多いからチラシを作りたい」なんて言われるんですね。
なんとなく無意識に、問題解決のアウトプットをwebサービスやアプリとして考えてしまうけど、必ずしもそれが最適解かどうかはわからない。webサービスのデザイナーとしては「都市部のコミュニケーションが希薄だから、同じマンションの人同士がつながれるアプリなんていいんじゃない?」みたいに考えがちなんだけど、せっかく近くに住んでるんだから挨拶してみたらいいよね、みたいな話。

都市になればなるほどサービス業の人の割合が増えるし、逆に田舎になると一次産業の人の割合が増える。観光地である京都はサービス業の人が多い印象だけれど、案外そういう人ばかりでもない。京都が特徴的でおもしろいのが、ここに伝統工芸とか文化的なものが加わるところですね。

それで、多様な人に出会えることの何がいいかと言うと「得意分野を発揮できる」こと。普段デザイナーの友達とばかりで過ごしていたときは気付かなかったけれど、違うコミュニティに入ってみるとデザイナーは自分だけだったりする。なのでちょっと相談を受けたり、時には仕事になったりと頼りにしてもらえる。デザイナーという仕事は、価値をわかってくれてお金を出してくれる他人がいることで初めて成り立つ。これが同業者だけだと、クオリティの高いデザインの企画はできるかもしれないけど、仕事として成り立つかと言われるとちょっとわかりません。それから、これはわたしにとって重大なことなんですが、同業者ばかりだと仕事を奪い合ってしまってしんどい。もちろん、ライバルがたくさんいるから良いっていう人がいるのもわかるし、超一流のデザイナーはそういう人ばかりだと思います。けれどわたしは「日々を楽しく過ごしたくて、そのために好きなデザインをしている」と考えているタイプなので、張り合わないといけない世界は本来の目的からはずれるというか。どちらが正しいというわけではなくて、わたしにはこっちのほうが合っている、という話です。


それから、選択肢が多すぎないのがいいなあと思います。こないだ会社のランチの時に「選択肢が増えすぎると幸福度が下がる」という話をしていて、確かにそうだと思った。たくさんある選択肢から一つを選ぶこと自体パワーがいるし、選んでからも「もしかしたら他のが良かったんじゃないか」みたいな必要のない「損した」感が拭えない。もちろん、1つしか選べないとそれはそれで困るんだけど、京都の場合はその選択肢の数が程よいんです。
例えば街自体が狭いというのもあって「これを買うならここかここで買っておけば間違いない」みたいなのがふんわりとあります。IT系のイベントなら、そう頻繁にはないけど選ぶ程度にはあるし、逆に応募者が殺到して数分で埋まることもない。たとえを挙げ始めるときりがないけど、それくらいの「選択肢はあるが悩むことはあまりない」くらいが心地よい。


最後は、2年前にも書いたけどあらためて「日々の風景が美しい」と思うこと。特別な風景をわざわざ見に行かなくてもそう思います。
朝、鴨川沿いをランニングをしているのですが、川辺の風景はいつ見ても「ああ、今日も生き生きとしているなあ」と思います。自転車で買い物のついでに寄る鴨川デルタは、いつでも空が広くてのびのびとして気持ちがいい。山も綺麗に見える。
一方で、観光地でもなんでもない場所でも、ちょっと路地に入ったら昔ながらの古い建物が並んでいる。どこに行っても同じような建売の住宅地の風景ではなくて、京都らしい独自の風景がある。あとは派手な看板やネオンや、めまぐるしい広告が日々の生活にないのも、地味に精神衛生にいい…。
「メリット」ってわざわざ言えるかはわからないけど、何気ない瞬間に「ああ、今日も美しいなあ」って思えることってなかなか難しいと思うし嬉しいことだと思っています。



学生の頃から合わせると、もう5年ほど京都に住んでいます。今日は社会人になってから気がついたことをメインに書きましたが、ほかにも好きなところはたくさんあります。住めば住むほど愛着が沸いてくるのは嬉しい。これからもここでしかできないこと、どんどんやっていきたいですね。