「短所を言い換えると長所」という発想法

「短所は長所の裏返し」という話

先週7/6日曜日にUX KYOTO 2014 #00に参加した。UX KYOTOは数回に渡って行われるシリーズもののイベントで、今回は三周目が始まるのでその導入編だった。講師はHCD-netの浅野先生。
#00のテーマはリフレーミング。簡単に言うと「怒りっぽいという短所を言い換えると感受性が豊かという長所になる」という発想法である。
これをサービスの提案に置き換える。
例えば旅行先で携帯がなくなったとして、これを解決するサービスは「携帯にGPSを付けて追跡する」とか「代わりの携帯を貸し出す」とかになると思うのだけれど、リフレーミングして考えると「携帯や時間に縛られないゆったりとした旅行の提案」となる具合だ。

ワークショップ

ミニワークショップ

講義が最初にあって、そのあと簡単なワークショップがあった。
まず「最高の花瓶の絵を考えて下さい」と言われて花瓶の絵を描いたあと、「花のある最高のシュチュエーションを考えて下さい」と言われてシュチュエーションの絵を描いた
この簡単なステップで、花瓶から考え始めると新商品を提案するには花瓶に機能を付け加えるしかないが、シュチュエーションから考えると生活の一部に入り込む花にまつわる良いサービスが生まれる、ということがわかる。
同時にサービスを作るにはシナリオが必要ということもわかる

メインのワークショップ

そしてメインのワークショップ。
5人1組のグループで「思いつく限り最悪のシュチュエーション」のシナリオを考える。
そのあと隣のグループとシナリオを交換し、そのシナリオを解決するサービスをリフレーミングで考えて発表する
私のグループが貰ったシナリオは「警察官の男性がクリスマスの日の帰りにバスジャックに遭遇するが、犯人が彼女だった」というものだった。
もしリフレーミングしなければ「彼女がバスジャックしないように防ぐ方法」を考えるのだけれど、今回は「バスジャックさせてしまう」方向で考えた。
このワークショップで面白かったのが、「逆転の発想」をするのに天才的にすごい能力は必要ではなくて、やろうと思えば誰でもできるというところだ。もし何も言われなければどうしても正攻法になってしまうのだけれど、「逆の発想をしてください」って言われると不思議とできてしまう。
ワークショップ形式は、講義で教えてもらってもすぐに忘れてしまうところを実際に頭を使って考えるだけあって鮮明に覚えていられるところがすごく良いと思う

日常で見つけたリフレーミング

ワークショップの数日後に無印から「MUJI to sleep」というものが発表された

MUJI to Sleep | 無印良品

そのキャッチコピーが

いつでもダメになれる ちょっとダメになる

なのだけれど、これもリフレーミングではないかと思う。
普通は「ダメになってはいけない」というふうに捉えがちなのだけれど、このコピーでは「ダメになってもいい」というふうに捉えている
フレーミングすることで、心くすぐる面白いコンセプトやコピーになる

UX KYOTO #01よろしくお願いします!

今回は導入編だったけれど、次回8月24日(日)からはいよいよ本編が始まる。
節目となるいい機会なので興味がある方は是非ご参加下さい!
(ちなみに、私はこのシリーズでスタッフをやることになりました!)