大学に5年間いて、卒業した

タイトルはアルバイト先の社員さんのこのエントリ
大学に5年間いて、卒業した - $shibayu36->blog;
が好きで何度も読んでたので使わせて貰った


ついこないだ、大学を卒業した。
大学は京都工芸繊維大学という地方のマイナーな工科系大学なんだけど、高校時代に父親から「現役時代と浪人時代と2度受験して結局入れなかった」って話を聞いて縁を感じてしまい、結局この大学以外の選択肢を探すことなく受験して入学した。
学科は造形工学科というデザインを学べるところで、工学部でデザイン学科があるのはそこそこめずらしいと思う。
漠然と「見た目がかっこいいだけじゃなくて使いやすいものを作りたい」と考えてて、プロダクトデザインを専攻した。

1〜3回生

特に強い意志もなく生半可な気持ちでプロダクトを専攻したのはいいものの、なんか思ってたのと違うなーという印象だった
プロダクトデザインというのは、日常生活の問題点や改善案を形ある製品(例えば家電とか文具とか)という切り口で解決するのだけれど、モノの形にはそこまで興味が持てなかった。
あとプロダクトデザインというのは、デザインするだけしてあとは他の部署にお任せ(鋳型作ったりエンジニアリングする人とは全然関わりがない)、という感じがあまり好きじゃないと思っていた
そういう感じだったからあまり大学の課題に真面目に向き合ってなくて、当然成績も悪くていつしかデザインそのものが嫌いになってた
けれども、UIを考えるのは好きだった
就職どうしようか悩み始めて、どうやったらUIに携われるか考えてそこで思い浮かんだのがwebとかスマートフォンアプリとかの「GUI」の世界だった
中学時代にホームページ作って楽しかった記憶もあって、webのデザインをやってみたいと思うようになった

4回生

グラフィック全くやったことなかったけどとりあえずweb関連のデザインをやってみたいなって思って、京都にあるソーシャルゲームの会社のデザイナーバイトの面接を受けてみたらillustratorは少しだけ使えたのでなんとか受かった。
当時Photoshopのレイヤースタイルすら知らなくてバナー1つ作ることすらできなかったけれどもありがたいことに社員さんに1から全て教えて頂き、少しずつ覚えた
3回生の時点ではデザインもうしたくないって思ってたのだけれど、バイトでゲームのアイテムのグラフィックを作って、そのアイテムをゲーム内で実際に使ってくれる人を見るとやはりデザインっていいなあと思うようになった
大学のゼミはUX系で、ビデオエスノグラフィーとかユーザーインタビューといった行動観察調査みたいなことをやってたけど、バイトばかりしててあまり行ってなかったからよく怒られた
卒業したら、web制作会社などでバイトしつつ経験積んでそのうちどこかで就職できればいいな、くらいの甘い気持ちでいたのだけれど、「新卒」のブランドを捨てるのはあまりにもリスキーなのではないかと親に卒業を1年遅らせることを勧められた。
幸運なことに国公立大学というものは休学にはお金がかからなかったので、留年して休学することにした。
これ決めたの確か2月くらいで、まさか自分が留年することになるとは思ってなかった
単位は3回生でほとんど取り終えてたので、大学あまり行かないで自由にやりたいことばっかりやってた1年だった

5回生

webデザインの仕事をもっとたくさんやりたいと思ってソーシャルゲームの会社をやめた。
それから株式会社はてなでアルバイトを始めた
はてなを選んだ理由は、4年生の頃にゼミさぼって行ったはてなのワークショップが面白かったからで、当時そこまではてなのサービスは使ったことなくて申し訳ない感じだった
最初はデザイン全然できなかったし、htmlもcssも基礎的なことしかわからなかったのだけれどバイトでたくさん教えてもらった
gitやらコマンドラインの面白さに気がついたのもはてなでのアルバイトがきっかけだった
それと同時期に、たまたま誘われてスタートアップのデザイナーを始めた
スタートアップや起業なんてそれこそなんの興味も持ったことなかったのだけれど、時間があるのとおもしろそうという理由だけでやってみた。
半年しか続けなかったけど、シリコンバレーに行ったり、チームで働くことについて考えたり、本当に様々な体験ができたと思う
このへんはスタートアップをやめました - yulily100's blogに書いた
4月の時点ではwebデザインできる仕事ならなんでも良いって思ってたけど、はてなでのアルバイトや半年間のスタートアップの経験から、絶対にwebサービスの仕事がやりたいと思うようになった。
スタートアップやってたから全然就活してなくて、11月の時点で進路が決まってなくてかなり精神的につらい時期もあったけれど、なんとか就職先も決まり安心した
スタートアップやめてからはバイトしながらフリーランスの仕事してお金貯めたりしてたけど、ほとんど遊んでたと思う




5年間を振り返ってみると、最初の3年と最後の2年でだいぶ違う生活をしていたなあと思う
ただ、最初の3年が無駄になったかと言われると全然そうだとは思わない。
大学ではどういう技法を使ったら美しいデザインができるか、みたいなテクニックというよりかは、コンセプトがどうだとかどういう人をターゲットにするのかといった考え方についてしつこいまでに言われた。
その経験が今でも役立っていることはたくさんあるし、今になって「あのとき教授が言ってたのはこういうことだったのか」ってふと気がつくこともよくある。
何かを作る方法は時代や環境によって変わるけど、何かを作る理由はなかなか変わらない。
それを学ぶことができてよかったと思う


思えば「見た目がかっこいいだけじゃなくて使いやすいものを作りたい」と言って大学に入ってきて、当初思っていたのとは違う形にはなったけれども、その夢は叶えられたと思う。
明日から社会人になる。
学生時代からしたら考えられないくらいたくさんのことがあると思うけどがんばっていきたい