2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

水無月

あたらしいアクセサリーを初めてつけて行く日は、いつだって特別で、なんだかうきうきとしてしまう。ちょっとだけ早起きをして、ちゃんとお化粧をして、髪を巻いて、コンタクトをつける。どこにも行く予定なんてないんだけどね。ショーウィンドウのガラスに…

赤丸

LINEの赤丸はいつでもうれしい。LINEには、変なスタンプを送りあってもいい関係の人しかいない。今日買ったもの報告とか、グループで旅行に行く計画を立てるとか、親からのおでかけのお誘いとか、そういうの。そんなの良い知らせに決まってる。Facebook Mess…

休息

1ヶ月前くらいからバランスを崩し始めて、なんだか落ち込むようだった。よくわからないが不安感があり、ウワーとなって、その不安を埋めるように酒を飲んだ。缶をあけるときのプシュという音が好きで、その音を聞いてると、久しぶりに楽しくなり、飲み過ぎて…

はずれの数字

炭酸が飲みたくなって自販機でジュースを買う。商品を取り出すと、ピピピピピという音がする。スロットがついてて、当たりだったらもう一本貰える自販機ってあるでしょ。どうやらそれだった。四桁の数字が光る。「111…」まで出ている。最後の一桁、1が出るか…

なんでもない瞬間に名前をつける

スケロク君という人がいる。なぜスケロク君と言うのかは知らない。かれが「ゆりりーさん(私)におすすめの本があるので今度あげます」というので、楽しみに待っていた。自由律俳句の詩集だった。それは、「カキフライが無いなら来なかった」という本である。…

箱と花

祖父の箱に花を入れるとき、その強さに驚いた。生花を扱うときはいつだって、繊細なものとして扱っていた。壊れてしまわないように。散ってしまわないように。ていねいに、ていねいに。だから、わたしは花の生命力のことを知らなかった。握ってみてはじめて…

映画『ノーマ、世界を変える料理』を見た

www.noma-movie.com京都シネマで上映してたものを見に行った。今の自分にとっては凄く元気の出る映画だった。「良い作家はたくさんの語彙やそれを使うための言葉を知りつくしているのと同じように、良い料理人は食材を知りつくしている」みたいなフレーズに…

その行為に「嬉しさ」はあるか

わたしは、小さい頃から一度たりとも部屋を綺麗に保てたことがない。根っからのクズか、それとも片付ける能力がないのかはわからないが、とにかく整理整頓が苦手だ。それで、週末ちょっと花を買ってみて、花は綺麗なのに部屋が汚いと元も子もないな、と思っ…

バランスを崩している

2週間ほど、落ち込みが続いている……。 何かひとつがうまくいかなくなると、とたんに全てのバランスが崩れてしまうような、そんな感じ。 忙しくしない、新しいことを始めない、失敗するかもしれないことは避ける、完璧を目指さない、みたいなのを地道にやって…

フーフのロール

「夫が居間で客人の相手をしている横で、妻は台所で料理の準備や後片付けをする」昔ながらの夫婦感というと、こんな感じだろうか。「男女平等」という教育をされて育ったわたしは、この価値観がよくわからなかった。不公平感というよりかは、「女の人はなぜ…

いちばんいい時間

それなりに楽しいものとか、インスタントにきれいなものとか、あとは大人数で体験したもの、体験できるものなんてのは、SNSにあげちゃう。いい思い出だなあ、って。SNSに楽しかった!って言ってできるコミュニケーションだってある。そうやって、じわりじわ…

みずみずしい言葉

ことばがいちばんみずみずしいのは、恐らくはその瞬間ではないか。 何を言っているの?って感じだけど、いまこうやって東京の地下鉄をウロウロしながらぽちぽちと文字を打っている間にも、情報量はどんどんと減っていって、それが惜しい。 そして、この世の…