贈り物にシュトーレンを。


普段どおり仕事から家に帰ってくると、玄関には袋が掛かっていた。名刺と手紙が添えられていた。その前日に仕事で会った人からだった。中身はシュトーレン。その日は十一月の末で、すこし早いクリスマスプレゼントだな、と思った。袋がかかっているのも靴下っぽいでしょ。
それから毎日うすーく切って食べていた。無意識にやっていたことだけど、どうやらシュトーレンとはそういうものらしい。クリスマスまでのアドベントなんだって。すこしスライスしてはクリスマスに思いを馳せる。素敵だよね。てっきりお菓子をもらったものだと思っていたけど、クリスマスを楽しみに思う時間をプレゼントしてくれた、ということでしょう。ああ素敵だ。もし来年のクリスマスの前に何かプレゼントすることがあれば、シュトーレンにしよう。粋な大人の贈り物。