箱と花

祖父の箱に花を入れるとき、その強さに驚いた。

生花を扱うときはいつだって、繊細なものとして扱っていた。壊れてしまわないように。散ってしまわないように。ていねいに、ていねいに。

だから、わたしは花の生命力のことを知らなかった。握ってみてはじめて、そのみずみずしさに気がつく。

なんだかちぐはぐだな、なんて思いながら、箱を花でいっぱいにした。