雪が降ったから、銀閣寺に

朝目が覚めて、眠たいなあ…なんて、布団に潜っていると、
外を見るように言われる。
白いものが映る。それも、分厚く重なっている。


文字通り飛び起きて、玄関の扉を開けようとすると、
ボヤッと、光るものが見える。
明るくはないはずなのに、明るい。

白い世界に踏み出す。
シャク、シャク、というような音を立てて、足跡ができる。
5,6歳くらいかの子どもが駆け回っていて、
ああ、その長靴いいなあ、わたしも欲しいなあ、と思った。

それから、銀閣寺にてくてくと向かう。
京都はもう、7年目になるのだけれど、雪の仏閣というのは行ったことがなくて。
一度は、見てみたいと思った。
車や、屋根の上の雪がぽってりとしていた。

銀閣寺には、修学旅行生がたくさんいた。
「〜けん!」「〜せんと?」という語尾からすると、九州から来たのかな。
こんなタイミングで京都にいるとは、なんてラッキーなんでしょう。

と、ここで、時間が迫ってきた。雪と枝が折り重なるトンネルを抜けて足早に進む。
そそくさとバスに乗り込み、働きに向かう。
ほんとはもっと居たかったんだけどね。