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楽しい香り

日常

ガタンゴトンと京阪電車に乗っている。ちょっと進んだかと思うと、止まって扉がひらく。どこも変わらないような風景を眺めながら、大阪方面に向かう。


「次は、枚方公園」


枚方公園というのは、ひらかたパークがある駅。遠足に行くみたいなリュックをしょった子どもが目を輝かせながら、「もうすぐ?次?」と、目的地はまだかと急かす様子を横目に、わたしはスマホを触っている。扉がひらく。ほかの駅では感じなかった、甘い香りがする。おや、と思い、ふと外を眺めた。


駅構内に、ポップコーン屋さんができていた。売ってるのはもちろん、とびきり甘い「キャラメル味」のやつ。その香りは、電車に乗っているだけのわたしをなんだかわくわくとさせた。それは、映画館に入って、上映が始まるまでそわそわして待つ時間だとか、親に連れられて初めてユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったのを思い出させた。キャラメル味のポップコーンのクラクラするような甘い香りは、いつの頃からか「楽しい思い出」の香りになっていたことに気がついた。