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ささやかな記念日

きょうは、両親の結婚記念日である。両親を誘って先斗町のお寿司屋さんに行った。実際のところ「結婚記念日だから」っていうのはつじつま合わせに過ぎない。「せっかくだから」って言っているのに近い。と、言うのも普段から「いちど、両親に回らないお寿司をご馳走したいなあ」ってなんとなくふわふわ考えてて。カレンダーをじんわり眺めて、いちばんいい日が今日だった。だから、結婚記念日というのは、ほんとうはどうでもよいのである。いや、どうでもよくないけど。


親が京都に来ることはそんなに多くないから、ちょっと観光もした。ちょっと御所の近くの相国寺に。父親は伊藤若冲が大好きだから。家族で承天閣美術館を見た。晴れてるけど雨が降ってて、気持ちのよい空だけど風は吹いててヘンな天気だった。
それからもひとつ観光地。って言う名のわたしの家。母親は一度来たことがある。父親ははじめて。父親は、部屋に貼ってあるわたしの写真を見て、母親かと見紛えていた。「髪型が違うと思ったら」なんて言ってて可笑しかった。
それからお寿司屋さん。先斗町を行く。母親は初めてだと言う。父親は、昔の京阪電車がどうだったか、とかそんな話をしていた。お酒を頼む。家族で「乾杯!」なんていうのを初めてした。


おなかがいっぱいになって出ようとすると、親は「気を使うから」と言って払おうとしていた。けれどそれではわたしがやりたかったことはできないのである。わたしは、親にぜいたくなものを食べて欲しかった。親がぜいたくせずお金を貯めていてくれたおかげで、わたしは大学を卒業できて、お金を稼げるようになったのだから。