コンテキストで考えるUXデザイン

日曜日、UX KOBEというイベントに行ってきた
講義とワークショップがあった


特に面白かったのが「ユーザーはコンテキストにお金を払う」って話
例として私鉄経営の小林一三モデルが挙げられていた
ユーザーはシートがいいとか電車の性能がいいという理由でどの沿線がいいとか選んだりしない、
ユーザーが選んでるのは沿線に住むことで得られる便利さである、という話。
例えば阪急神戸線なら、ユーザーは簡単に梅田に行けたりとか、沿線に大学が多いとか、観光地へのアクセスがいい、みたいな「便利さ」を求めて阪急沿線に住む
阪急沿線に住む理由に「電車の車体の良さ」は入って来ない
同じようなマーケティングの話で、ドリルを買おうとしてる人が欲しいのは、ドリルの歯じゃなくてドリルで空けることのできる「穴」だ、という話もある


これが具体的にサービスのUXにどう関わってくるのか?という話なんだけど、
例えば超技術でブラウザの解像度2倍にできる方法を開発したとして、「解像度2倍でスゴイ技術です!」とか言われてもそれだけではユーザーにとって価値にはならない。
コンテキストを考えるとしたら、「解像度2倍でテレビ電話できることで、離れたところにいる人とでも実際に会っているかのように話ができる」というふうに売っていかなければいけない
ツタヤにスタバがついてて人気というのも、べつに超絶こだわったコーヒーとか超めずらしい本とかいらなくて、人は「コーヒーを飲みながら読書ができる豊かな生活」を求めてやってくる


ユーザーの生活スタイルにうまくあてはめることのできるコンテキストを提供するのがUXデザインを考えることであると、この勉強会では語られていた




こういう勉強会社会人に向けたものが多くて、当たり前だけど仕事で役立てたいと思ってる社会人しか来ない。(今まで学生に会ったことない)
なので、いつもの勉強会だとLean Start Upの手法を用いてできるだけシンプルに出してフィードバックを得ましょう、だとかプロトタイプを作って検証しましょう、だとか、実際に業務で使って行く手法に落とし込んだものが多い印象だったのだけれど今回は、非常にアカデミックな内容で、大学の授業やゼミ受けてるような感じだった

情報デザインの教室 仕事を変える、社会を変える、これからのデザインアプローチと手法

情報デザインの教室 仕事を変える、社会を変える、これからのデザインアプローチと手法

講師の浅野先生はこの本を執筆されている方で、この本は自体は2年前くらいから持ってる
というのも、この本は情報デザインフォーラムのメンバーの何人かで執筆されていて、その一人に私が大学で所属してたゼミの先生が含まれていたからだ
大学の授業やゼミ受けてるみたい、と私が思ったのは、大学のゼミの先生と講師の浅野先生が同じ活動をされているからなのかもしれない
(大学では、ターゲットになりそうなユーザーにインタビューしたり、モノを使ってる様子をビデオに撮らせてもらってそれ見てポイントをまとめたり、そういうゼミだった)



当日の講義とかワークショップの様子は、講師の浅野先生のブログにのっています。
UX神戸2014 #02 カスタマージャーニーマップ | 情報デザイン研究室




余談だけど、浅野先生に「UXならゼミの先生に教えてもらえばいいじゃない」って言われたんだけど、大学の頃デザインもうやりたくないって思っててゼミも休みがちで最悪な学生だったので顔を合わせるの気まずい部分がある(笑)
今となれば、なんてもったいないことをしてたんだ、って思うのだけれどね